- はじめに
この記事を読めば定時退勤がサクッとできるように公務が整理できます。
この記事を読んでらっしゃる方の多くは学校現場におられる方だと思います。
働き方改革が進む現在、管理職には定時で上がるように指導されることもありますよね。
ですが・・・まあ無理ですよ(笑)
なぜって現在の教員が抱える業務は圧倒的に多すぎるからです。
決してあなたに能力がないからでも仕事ができないからでもないですよ!
一つしかない体に対して物理的に無理なことが多いんです。
マルチタスクなんてのは相手が無機物でないと成立しません。
教員の業務の形態上、あれをやりながらこれをやるがとても難しいんですよね。
そんな仕事をしっかりとこなそうと思ったら当然定時での退勤は難しくなり残業となるわけです。
そこに部活動が入ると放課後、休日はその引率に確実に取られます。
もう自分でもこの記事を書きながらやばい業界だな・・・なんて考えています。
今回の記事では、国がなんともできないなら自分の働き方は自分でなんとかしよう!
というコンセプトのもと、教員の仕事を効率よく進めていくためのノウハウをまとめたいと思います。
ちなみに運営者は教員歴10年以上の私立高校に勤務する現役教員です。
保健体育、学級担任業務、特別活動部主任、生徒指導部、進路指導部、生徒会担当、※部活動顧問(強化指定部)を全て行いながら帰れる日はまず定時に帰っています。
※基本的に運営者は部活が放課後にあるので無条件で定時には帰れません。ですが私の場合はコーチングありきの勤務契約ですので、公立の学校での部活動と比較すると副業でのコーチ活動と表現した方が適切かもしれません。)
教員の主な業務
まずは教員の業務を整理していきましょう。
・学級活動
・学校行事
・教材研究
・授業準備
・部活動
・保護者対応
・生徒との面談
・分掌業務
整理していけばまずはこんなところです。
一つ一つがとてもハードなわけではなく…同時に重なってくることが教員のボランティア残業を増やす原因!
どの企業もそれぞれの部署にわかれてチームで分担しているものが…教員は1人でこの業務をこなします。
ここが問題なんです!
この記事では教員の業務の効率化のポイントをまとめています。
この記事を読むことで家族との時間も作れるし、自分のための時間が誰でも作れます!
では次からポイントです。
教員の業務をより効率的にこなすポイント
●優先順位をつける習慣づけ
どれも大切なことなのでここでは効率化のために優先順位を決めていきます。
授業、学級活動、学校行事、生徒指導この4つは生徒と直接関わり、学校にいる際に起こる事柄ですので絶対に外せません。
空き時間も人によってはある人もいるでしょう。
その空き時間プラス放課後17時すぎまでの時間を使い教材研究、授業準備、部活動、保護者対応、面談、分掌業務、生徒指導をこなすのです。
まず無理があります。
ですが、教員はそうも言ってられないのが現状…
働き方改革で残業せずに帰るように言われますが…この業務の負担を減らさないことには何も始まりません。
先生方は残りたくて残ってるわけじゃないのです。
しかも年功序列の弊害か…能力のある若手の先生ほどたくさん仕事をかかえて、もはや数に数えてもいいものか疑問の残る定年間近の先生は仕事も振られず定時に帰ります。
もちろんそうでない学校もたくさんありますよ!
こんなことあっていいのか…というのがブラック教員と呼ばれる所以でしょう。
しかしながら、
何をしっかりやり何を簡単にさばくかで多忙な業務の効率も少しは改善されます。
①教員のこれは絶対に外せない業務
授業
公務分掌
の二つです。
この公務分掌には学級担任や担当公務(教務や総務.特別活動など)、部活動もここに含まれます。
それ以外は極端な話をすると基本的にやらなくてもいい仕事です。(やらなければ先生として成り立たなくなるためやらざるを得ないので実質業務に入ってしまいますが…)
具体的な業務の軽減について
ではどこで業務時間の短縮を図っていくのか。
授業準備
教材研究
この二つです。
これらはより良い授業を成立させるためには必須の準備ですが・・・
ここに裂く時間は実は負担を軽減できる可能性があります。
その方法は
これらができるだけでかなり授業が楽になります。
特に重要なのは①の授業テンプレートの作成です。
板書計画とは違います。
自分の授業を一つの番組のように企画しておくのです。
学習指導案とも違います。
某バラエティー番組をイメージしてください。
オープニングにはじまり、まとまりのあるコーナーをいくつか作り、次回予告で終わる。
毎週同じ内容ではありませんが、コーナーのバリエーションは変わりませんよね。
中身は年間で教えるべき内容を当てはめてアレンジしたものを準備するだけです。
コーナーの工夫は視聴者参加型のものや、解説のもの、推理ものなど趣向をこらしてオリジナリティをだしてみます。
あまりウケの良くないコーナーは番組変遷時に改定です。
ただし、時事ネタや流行、変わる教育内容には柔軟に対応していかないといけないため一度できたらオッケーではなく、定期的にブラッシュアップが必要です。
こう考えれば一年、半年を番組のクールと考えて準備するだけです。
毎時間隙間を縫って準備することがとても効率が悪くなる原因です。
ICT化が進む現在、さまざまな今まで紙を使用していたものがデジタル化されます。
これは授業効率を高めるには教員にとって追い風と言えます。
実際私の担当する授業もICT化とともに年間の授業を作成しています。
使用する教材や、グループワーク、ディスカッションの内容などが、一つのデータとして既に出来上がっています。
対面でやる生放送が授業の醍醐味ですが、リモートで録画になったとしても対応できるよう作られています。
あとは学習するクラスの実態に応じて微調整するだけです。
保護者対応
こちらは自分だけではどうにもなりません。
一人で何かを抱え込み、判断しようとすると必ずと言っていいほどうまくいかないことがあります。
ここでは保護者から何かあれば、黙って学年主任に相談することです。学年主任でだめなら管理職、校長と言うふうに責任をどんどん上に上げていきます。
はやめにそうしておくことで、若手教員が一人で悩む時間や労力は絶対に分散すべきなのです。
保護者面談が必要な時も勤務時間外の約束は絶対に設定しないようにしましょう。
保護者が仕事だと言っても、我々も仕事です。
これは芯を持って対応しなければいけません。
保護者の都合に合わせることよりも、自分の対応できる時間をいくつか伝えて、保護者に選択してもらうように意識しましょう。
生徒との面談
集団生活がある以上、なんの悩みも抱えず生きている生徒はまずいません。
そして、事案が発生したら絶対に手を抜かずに生徒に寄り添わなければいけません。
また生徒指導上のトラブルがあればしっかりと正しい道に導かなければいけません。
このことについては、事案が発生してからではなくそういったことが起こりづらいクラスや集団づくりを務めるしかありません。
それでも問題が起こってしまうことは必ずありますが…生徒との関わりをおろそかにしてしまうと、問題が問題を呼び、結果的に自身の時間を奪っていきます。。そして学級崩壊が起こってしまったらもう自分一人ではどうしようもありません。
そのために若手教員が意識することをポイントを次の記事で具体的にまとめています。ぜひ参考にしてください。
分掌業務
こちらはそれぞれの勤務校の事情や特性によって様々な忙しさがあると思います。この業務に関してはオリジナリティを出さないことが効率化の1番の秘訣です。授業のテンプレートを生徒のために作成するのとは違い、もはやマニュアル通りにこなしていきます。
この業務はやればやるほどドツボにハマります。
経験上、工夫をしようとしたり、オリジナリティを入れていくと時間がかかります。ポイントは自分以外の人がやってもできるようにするということです。
そのためにマクロを構築したり、プログラムを組むことは、その時に時間がかかっても業務の効率化につながるため、そこは惜しまずやるべきです。
学校現場はExcelやWordを多く使います。これらのソフトは業務効率化のために使える機能を実はたくさん搭載しています。(あなたが想像している以上のことができるんです!詳しくはこちらで紹介)
また教育現場はいまだにアナログな作業がとても多く残っています。
プログラミングスキルやICT機器を有効に使うことでより業務を効率化することができます。
手作業で1時間かかる作業がプログラムを組んでおけば10分あれば終わるようになります。
自身のスキルアップも兼ねて勉強してみてはどうでしょうか。
優先順位のススメ
生徒とかかわり育むのが教員の本懐です。
ですので、
この順位での消化をおすすめします。
ただし、③の部活動に関しては注意が必要です。
これらは教育活動と位置付けられながらも教員の義務ではないのです。
義務ではないので当然退勤時間が過ぎたら出る必要はありません。
昨今、この部活動への教員の関わり方が世の中の話題になっています。
教育活動でありながらもほぼボランティアとなる部活動。
働き方改革と銘打って隔週で日曜日に休まなければいけない、週に一度は休養を与えるなどのルールを追加しているものの、根本的な解決にはなっていません。
なぜなら、こうあってほしいと思ったり、勝ちたいと思う選手や保護者のニーズが必ず存在するからです。
やらなければ一生懸命じゃないと言われ、逆にやったらやったでやりすぎだと言われることもある。
教員は誰のために部活動をやっているのか?
部活動で生徒、保護者と考え方のギャップがある先生は顧問を拒否することができます。
学校側に強制力は決してないからです。
最近では部活動の学校離れが進んでいます。
…が、依然旧体制の年配の教員は部活に付かない若手を快く思わない人も一定数います。
ですが、それを気にしていては自分の人生がすり減ってしまいます。
もちろんやりたい部活であれば積極的に関わるのは生徒にとっても教員にとっても有意義な時間となるでしょう。実際私も生徒と目標に向かい努力を重ねる競技や部活動が大好きです。
しかしやりたくないことであればやらなくてもいいのが本来の部活動です。
もしも望まない配置で顧問になった場合は、徹底して活動時間を定時の退勤時間までにしましょう。それ以降は、部員一人一人が地域のスポーツクラブを利用したり、コーチを頼んだりなど、受益者負担で行ってもらうことです。
なんだか冷たいような言い方ですが、本来スポーツというのは受益者負担であることをはっきりとさせなければいけません。
権利をしっかりと主張することが業務の整理の第一歩です。
まだまだ仕組みが変わらない以上、意識と行動を変えていく必要が教育業界にはありますよね。
正直変わるべきは先生の働き方ではなく、そもそもの学校という仕組みと法律ではないかと強く感じています。
しかし、いつだって現場にいる先生方は奮闘しています。ですが、決して自分の幸せを捨ててまで職業に従事することは違うと思っています。
しっかりと自身の業務に優先順位をつけて、やるべきところ、人にお願いするところをはっきりしながら働きましょう。
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