就職・転職活動がうまくいかない人の原因の多くはエントリーシートでつまづきます。
ですが、エントリーシートといきなり言われても教員の多くは大学卒業後、一般企業への就職活動ではなく「履歴書」→「教員採用試験」という教員独自のルートで先生になるため、仕組みがわからず「はてなマーク」が浮かぶのは当然です。
特に教員をやっていると就職活動をする機会がほぼないため、なかなかエントリーシートといっても馴染みがないものです。
転職を考えるときにエントリーシートで企業から落とされてしまう人もたくさんいるのです。そんな人はそもそもの書き方ができていません。
この記事では転職活動を考える際に知らなければいけない知識としてエントリーシートの書き方の基礎をお教えします。
●エントリーシートとは?
エントリーシートというのは、企業へ就職する際に必須となる書類です。
よく「履歴書」と「エントリーシート」というものが似たような認識で捉えられますが、実際のところは違います。
大手企業でもよくあるエントリーシートで不採用というのは、数ある応募の中で全員と面接することは時間効率もよくないため、就職活動の第一関門として課せられている場合もあります。
どちらの書類も企業が雇用を決める際にとても大切な書類です。
解雇や訴訟につながるケースもあります。
●エントリーシートの書き方
●エントリーシートは手書き?データ?
これに関しては企業から指定がなければどちらでも構いません。
ただし、エントリーシートで重要なのが、「見やすさ」「(印象)インパクト」です。
使用担当者はたくさんのエントリーシートに目を通しています。そんな時に読むのが困難な汚い字でエントリーシートが提出されていた時にどんなことを考えるでしょう。間違いなくいい印象はありません
●エントリーシートのフォーマット・テンプレート
エントリーシートは履歴書と違い企業によってフォーマットが違うケースが多いです。
一般的なエントリーシートのフォーマットがこちらにあります。まずは参考までに。
どんな企業もエントリーシートからあなたの人間性を把握することはできませんが、あなたのエントリーシートの書き方ひとつで企業に「あなた」という人間の存在を示すことができます。そこに興味を持ってもらえれば就職、転職も次のステップへと進みます。
●エントリーシート内で企業から求められる(判断材料となる)力
項目 | 評価ポイント | 重要度 | 備考 |
学歴 | 所属・出身大学、高校の偏差値や実績。 | ☆☆☆☆☆ | まだまだエントリーシートでは学歴足切りがあるのが実態。これを覆すアピールポイントが必須!大手になるほど傾向は強い。 |
資格 | 保持する資格 資格の価値・実務性・人間性 | ☆☆☆☆☆ | 学歴を覆す可能性を大きく持っているのが資格の有無。難易度の高い資格を持っているだけで学歴を超えたあなたの能力のアピールになります。 |
経歴・実績 | どんな賞与を持っているか。過去に所属した団体・個人での実績。 | ☆☆☆☆ | 企業側が書類上で選考するときのとても重要なポイントです。例えば、一流大学卒業というAさん。TOEICスコア900、海外での慈善活動に参加し〇〇賞受賞というBさん。業種によりますが後者の方が興味が湧きますよね。 |
内定実績 | 他企業からの評価、能力の予想 | ☆☆☆ | これも実はポイントになることなのです。これで全てが決まることはありませんが、企業からすれば意識しているC社が内定を出しているということは、我が社でも間違いなく使えるだろう。むしろそちらではなくこちらにきて欲しいという心理が働くのです。 |
やる気・文章構成力 | 見た目、内容の充実、採用側がエントリーシートの先にいるあなたを気になるかどうか | ☆☆☆☆☆ | 学歴、資格、経歴等での勝負が難しい場合は、この部分で勝負していきます。どれくらい採用担当者の目に付くか。一眼見たときにもっと見てみたい、会ってみたいという意識にさせられるかが勝負です。 |
●エントリーシートに記入するべき内容
この3つはどんなエントリーシートにも記載されています。また、自由形式であったとしても必ず盛り込むポイントになります。
それぞれについてのポイントをまとめていきます。
・自己 PR
3つのパートを意識する
1自分の「長所」や「強み」(全体の2~3割でまとめる)
結論先行を意識しましょう。そうすることで読み手となる採用担当者が、あなたの文章内容を理解しやすくなります。
2「長所・強みが表れた具体的な行動」と「成果」(全体の5割でまとめる)
行動に関して「動機(なぜ?)」「目標(何のために?)」「心掛け(どのように?)」をしっかりと表現する。成果のアピールの際に数字を活用すると客観性や説得力が加わり効果的。
3「弱点」と「弱点に対する注意」(全体の2~3割でまとめる)
「裏返せば長所となる短所」を紹介し、その短所に伴うエピソードを続ける。最後に「短所を克服するための努力」の紹介で締めくくる。
【ポイント解説】
1結論先行のスタイルで分かりやすい
2新しいことに取り組む姿勢をアピールできている
3成功体験であっても「振り返り」をし、次の課題を見つける資質が感じられる
4周囲と人間関係を築きながら物事を一緒に進めることができる人物像が伝わる
5成果の客観性もあり、内容そのものにもインパクトがある
・「学生時代に最も打ち込んだこと」
3つのパートを意識する
1始めたキッカケと目標(全体の2~3割でまとめる)
学生時代に最も打ち込んだことの内容とそれを始めたキッカケを記す。何を一番の目標として取り組んでいたかを説明する。
2成果と困難だったこと(全体の5割でまとめる)
数字や第三者の評価などを使って成果を具体的に述べる。取り組みの中で困難だったこととそれをどう乗り越えたかを説明する。
3経験から得た自信とそれに伴う変化(全体の2~3割でまとめる)
打ち込んだことによって、どのような点で自信を持てるようになったか、その自信がどう活きているかを書く。自分の行動や周囲の評価の変化などを説明する。
【ポイント解説】
1結論先行のスタイルで分かりやすい
2新しいことに取り組む姿勢をアピールできている
3成功体験であっても「振り返り」をし、次の課題を見つける資質が感じられる
4周囲と人間関係を築きながら物事を一緒に進めることができる人物像が伝わる
5成果の客観性もあり、内容そのものにもインパクトがある
・志望動機
3つのパートを意識する
1感じている魅力の明確化(全体の2~3割でまとめる)
志望職種にどのような魅力を感じているのかをまず明確にする。自分が志望職種に向いている理由も示す。
2自分の考えや企業への共感(全体の5割でまとめる)
他社の製品と比較したり、業界の状況などを分析して、自分の考えを書き表す。企業に対しての「共感」や「賛同」の気持ちを示すことを意識する。
3入社して取り組みたいこと(全体の2~3割でまとめる)
特に担当したい対象(部署や製品など)を明確にする。「営業で頑張りたいです」程度の回答と一線を画すことができる。
【ポイント解説】
1志望理由を明確に表現できている
2企業の特性や理念をよく理解できている
3業界の現状や可能性について研究していることが伝わる
4他社と比較した上で志望企業の優位性を示せている
5入社後のビジョンを具体的に表せている
全体共通ポイント
伝えたいことを明確にし、一貫性のある文章を心がけましょう。
文章の基本はこの3文構成。一文はシンプルに短くすることを心がけましょう。また、文章の最後の一文で、結論(一番伝えたいこと)をもう一度書きましょう。
●まとめ
面白い!エントリーシート解説をしてくれる他サイト紹介
キャリタス就活2023 https://job.career-tasu.jp/2023/camp/es_correction/
添削事例がいくつかあり、とても参考になります。この記事の情報を踏まえてこちらを参照するとよりイメージが湧くことでしょう。
●過去にあった個性的なエントリーシート課題
■三井住友海上火災保険のエントリーシート課題
「体育会での戦績(50文字以内)」
「部活動での戦績(50文字以内)」
「サークルでの戦績(50文字以内)」
「その他課外活動の特筆すべき成果(50文字以内)」
「あなただけの一芸(50文字以内)」
■旭化成のエントリーシート課題
課題が知的に謎めいていておしゃれですね。
■資生堂のエントリーシート課題
発想力と将来を展望する力を問われる難題ですね!
■サントリーホールディングスのエントリーシート課題
自由ゆえに一番難しそうです!
■伊藤忠商事のエントリーシート課題
「あなたの思うリーダーシップとは何ですか。30文字以下」
「ストレスを感じるのはどのような時ですか。30文字以下」
「今までの人生で最大の決断は何ですか。30文字以下」
「あなたの人生の夢を教えてください。30文字以下」
30文字というところに難易度の高さを感じます
■カゴメのエントリーシート課題
なかなか面白いですね!(笑)
●こんな個性的なエントリーシートの記入例も
白紙にQRコードが書いてあるだけ。その中身は就活生本人のポートレートサイトらしいです。自己PRを自由に表現できる上に、サイト制作のスキルや自由な発想力をアピールできます。サイトを作ることができる人は試してみてもよいでしょう。
これはなかなかの発想ですね!古典的、保守的な企業ではなかなか受け入れられなそうですが、ITやこれから伸びていく企業、新進的な企業からは発想だけで評価されそうです!
自由なESですので、当然、言語も自由です。
英語力をアピールするのであれば最高の方法でしょう。
担当者が読めない場合もあるので、日本語でも表記したほうがいいでしょうね。
雑誌は本類の中でも、読みやすくするための工夫が沢山施されています。
家に雑誌があれば、その雑誌の中の好きなデザインを参考にして、そのまま自己PRを作るのも面白いです。
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